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コロナ禍でも奮闘する西尾の事業者の今を伝える

東幡豆の“輝く海”を一望できる【 MerBrillante(メールブリヤン) 】

2023.11.22

2022年2月、東幡豆町にオープンした「メールブリヤン(フランス語で“輝く海”という意)」。新鮮な魚介を使ったメニューや西尾市産の抹茶を使用したスイーツが楽しめる人気店である。今回は、オーナーの神田光さんに開業の経緯や東幡豆への特別な思いなどを伺った。

東幡豆に来たくなる理由を作りたかった

光さんは、元料理人。東幡豆で78年続く魚屋「カネカ神田」を営む敬祐さんとは、料理人・魚の卸業者として出会い、のちに結婚。その後、料理人を引退し名古屋から東幡豆に引っ越しご主人のお店の手伝いを行っていた。

「料理人を引退後も“お店を持たないか?”との声は沢山いただいていたんです。でもお店を出す大変さを知っていたのでずっと躊躇していました。」

そう考えていた光さんであったが、コロナ禍をきっかけに飲食店の開業を決意する。

「厳しい時代に突入したことを実感し、色々チャンスのある中で経験のある飲食店を始めようと思いました。ただ東幡豆から離れている場所で出店する気はなかったんです。主人の故郷であり、私たちの生活拠点でもある“ここ”でお店を出したかった。観光地には、買える・食べられる・集える場所が必要です。潮干狩り以外でも来たくなる理由を作れば、こちらから都会に出向くのではなく東幡豆に来てもらえるはずだと思ったんです。」

子供たちの成長をすぐそばで見守りながら、東幡豆の集客にも繋がることができる。
総合的に考えてみても東幡豆以外での出店は考えられなかったという光さん、開業に対する思いをこう語る。

「主人の魚屋は“担(かつ)ぎの魚屋”、獲れた魚を担いで名古屋に運んでいたことから由来しています。担ぎの魚屋は年々減ってきていますし、実際知らない人が多いのが現状です。だからこそ、お店を通して担ぎの魚屋のことをもっと知ってもらいたい!!、担ぎの魚屋だからこそ、その日に獲れた魚をその日のうちに提供できる、その価値を伝えていきたい。実際に食べてもらえば他店との価格の違いを分かってもらえると信じています。」

魚屋としての思いのほかに、旧東幡豆漁業協同組合を改築したお店にも特別な思いがあるという。

「もともと漁協の建物でした。合併することになり閉店していまいましたが、銀行は町の『繁栄のシンボル的存在』だと思うんです。そのような建物を町の活性化のためにも是非再利用させていただきたいとお願いをし使わせていただけることになりました。歴史や思いを伝えていくために大きな金庫の扉はそのまま残しています。」

 

この大きな扉の先には二階に続く階段がある。その階段を上ると、目の前に海が広がり前島が一望できる。

担ぎの魚屋”だからこそ提供できる味

メールブリヤンでは、“担ぎの魚屋”ならではの新鮮な魚を使ったメニューが豊富に並んでいる。その中でも、一番のおすすめメニューは“トロ箱ランチ”。

「トロ箱は競りで漁師が魚を並べるのために使っていた箱のこと。そのトロ箱をイメージしたお盆で提供することで、食べる人に漁師さんのことを伝えられる、漁師さんへの感謝の気持ちを抱いてもらえると思い、このメニューを考えました。ですから、“トロ箱”というワードに興味をもってもらえると『やったー!』という気持ちになります。漁師さんのことを説明できるきっかけにもなるので、一般的には知られていない“トロ箱”というキーワードが外に出るだけでも意味があると思っています。」

漁師さんとお客さんの間に立つ立場として“価格”にもこだわりを持っているという、光さん。

「漁師さんの存続、繁栄を願って価格設定にはこだわりを持っています。漁師さんがいなければ我々鮮魚卸店は成り立ちませんし、消費者としても新鮮で素晴らしい鮮魚を食べることはできなくなります。漁師さんから適正な金額で魚を購入するためにも、直接お客様に伝えられる立場として”料理やサービスにもほんものの価値を、、、”と常に考えています。」

自分がワクワクできるかを大切に

東幡豆に嫁ぎ、魚の美味しさに感動した光さんだからこそ、その思いを伝えるべく飲食店経営のほかに次世代に繋げていくための事業も行っている。
まずは敬祐さんが卸している魚の美味しさを多くの人に知ってほしいとの思いからブログを開設。その後、出産を機に“小さい頃からほんものの味を、、、”との思いから魚を使った離乳食セット『ととBaby』を開発、離乳食のセミナーも開催してきた。

「以前は、市外に赴いてセミナーを開催していましたが、店舗ができたおかげで今は店舗二階で様々なセミナーを開催できるようになりました。セミナーの対象者は子育て中のお母さんや、女性経営者の方など。離乳食講座では、一食何グラムなど目安を伝えようとしていたんですが、一生懸命なお母さんはその目安に縛られ苦しくなってしまうことに気づいたんです。“正しいよりも楽しい”、もっとお母さんの肩の荷を下ろせるような助言をしていきたいです。」

取材時、来店されていたお子さん連れのご家族にもお話を伺った。

「小さい子供が居ても来店しやすく、月一回は来ています。おいしい料理はもちろんのこと、光さんとお話できることを楽しみに来ています。光さんと会うだけでパワーをもらえるんです。」

その言葉のとおり、美味しい料理を堪能する以外に、光さんに会うことを目的にお店に来るお母さんたちも多い。子供連れでもゆっくり過ごせるよう買い物スペースには絵本スペースが併設されており、そのような店内の工夫も気軽に来店できる理由の一つなのかもしれない。

「メニュー作りは、自分がワクワクできるかを大切にしています。具体的には、『自分自身が食べたい!子どもに食べさせたい!』と思えるかをとても大切にしています。」と、笑顔で語る光さん。
これからもワクワクから生み出される料理と光さんの笑顔に魅了される人たちが増えていくことだろう。

 

 

 

+DETA+

店舗名 MerBrillante(メールブリヤン)
住所 西尾市東幡豆町浦和22-1
連絡先 0563-65-3381
Instagram @mer_brillante_
営業時間 11:00-17:30(ランチLO 13:30/カフェLO 16:30)毎週水曜日・木曜日定休日

 

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