師走を迎えたまちなかの龍神通りに、温かな明かりが灯った。
長らく使われていなかった空き店舗を活用しオープンした「A’s Dining Room(アズ ダイニングルーム)」は、いろんな種類の家庭料理でお酒を楽しめるお店だ。改装は西尾市のまちづくり会社「城下町PRIDE」が行い、まちなかで物件を探していた田中文美(たなか・あやみ)さんが念願の飲食店を開いた。

特徴的な大きな一枚引き戸は、外からでも中の様子が見えるため、初めての方でも入りやすい。木のぬくもりを感じられる店内は落ち着いた雰囲気で、一人でもゆっくりとくつろげる。

夢見ていた初めての飲食店の切り盛りは、想像していたよりずっと大変だったという文美さん。オープンして間もないが、お店の宣伝に手が回らないほど忙しく、日々奮闘中だ。「本当に色々大変で余裕がないけど…美味しいとか、うまっ！とお客さんに言ってもらえると、やっぱり嬉しい」とほほ笑む。穏やかな文美さんの人柄に惹かれてお店を訪れるお客さんも多い。

（メニュー、価格は取材当時のもの）
店内の黒板には、ギョウザにお好み焼き、エビフライにお刺身など、和洋中さまざまなジャンルの手書きのメニュー。どれにしようか…なかなか決められないほど、どのメニューも食欲をかき立てられる。
自身も食べたり、飲み歩いたりするのが大好きという文美さん。メニューは旅先で出会った料理を再現した一品や、スパイスを工夫した一皿など、彼女が試行錯誤を重ねたレシピによるものだ。メニュー構成は今も研究中で、提供する料理も日によって変わっているが、まだまだたくさんのメニュー候補が眠っているという。

目の前で作ってくれる出来立ての料理は、何を頼んでも美味しい。ついつい、お酒が進んでしまうこと請け合いだ。
居酒屋でもスナックでもない、穏やかなオーナーとあたたかな家庭料理が待っているお店。ぜひお立ち寄りあれ。

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